バックステージ オブ サイクリング・ブック

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こぼれ話さがし

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サイクリング・ブック ー discover Japan by bicycling ー

先に挙げた「日本史こぼれ話」シリーズ、「世界史こぼれ話」シリーズは、
子供であった僕にとっては、エピソードのおもしろさと、知っている人物名への人間像の肉付けとなった。
それからの読書には、「こぼれ話」の引用元に出会うという楽しみも加わった。
それがさらに進むと、知っているエピソードだけでなく、
シリーズに使われるにふさわしいネタを発見してひとり喜ぶことになる。


ちょっとピンぼけ (文春文庫)

ちょっとピンぼけ (文春文庫)


ロバート・キャパ「ちょっとピンぼけ」に出てくるヘミングウェイのエピソードというのがそれにあたる。
男らしさの権化である彼が、キャパの目線で、
いささかカンチガイの気がある頑固な中年として(遠慮がちに)描かれているのだ。
あれだけ自分の世界に読者を巻き込む男は、
やはり子分を必要とする親分肌の唯我独尊男でなくてはならないだろう、と僕なりに納得する。
戦場で戦友とウィスキーを飲んだり、狩りをしたことが無くては「男」と言えぬ、
という雰囲気に、劣等感を抱かざるを得なかった僕には、ちょっと溜飲が下がる。


ともあれ、ヘミングウェイから養子扱いを受けていたキャパの筆も、
「パパ」に似て男らしく、簡潔にして胸躍るものである。
戦場を駆け巡りながら、魅力的な女性と逢瀬もある。
彼は弱い人間にも、平等に優しかったのではないだろうかと思う。
「パパ」と違って。


文中に、「アールウィン・ショウとビル・サローヤンというインテリ二等兵」という一文がある。
文学史の知識がなく、検索しても2人の第二次大戦への従軍があったかどうかわからない。
当の二人であったなら、それは僕の好きな、僕発見の「こぼれ話」なのであるが。