ドットブロット

本来、読書ブログ。本をフィルター替わりに、日々のよしなしごとを考えます。

企業小説やサラリーマン小説を、これまでにたぶん2冊ずつくらい読んだことがある。
面白いとは思った。同時に、2度と読まないだろうとも。
メインの読者はやはりサラリーマンなのだろうか。
どこへも連れて行ってくれない小説を、何を考えて読むのだろう。
好き嫌いだろうか。



企業スパイ小説、という分類になるのだろう。
梶山季之の小説は、現実とフィクションの距離感が絶妙であると思う。
フィクションの楽しさが豊かで、
しかもリアルさは少しも現実離れをしていない。
くだくだしい説明や状況描写を退けた、
簡潔で動きの速い文章がその世界を生み出しているのだ。
僕は車は見るしか興味がないのだけれど、
なんだか自分が車好きになったような楽しい錯覚が得られた。
クライマックスに使われる卓抜なアイデア
少し苦い結末。
作者の人間的な大きさが滲み出た、
大人のエンターテイナー小説の見本。
書かれた時代背景はいかにも昭和だが、
たぶんそれはちょうどフィクションに良い味わいに思える筈。


梶山季之が亡くなったとき、
純文学作家の参列がなかったと、盟友山口瞳マイ師匠はお怒りになっておられる。
金にならない純文学雑誌を、大衆雑誌の売れ行きで支えた梶山をなんとこころえているかと。
そういうものだったのだな、と思うしかない昔のことだけれど。



祝、Willcom契約10ヶ月経過。
お客様情報のデータベースでは、今日みごとに機種変更が値下がりになっていた。
……。で、どうしたらいいのだろう。
そんなこんなで、気が大きくなってしまったか、あるいはフレたのか、
サンコーレアモノショップで、熟考した末の衝動買い。
http://www.thanko.jp/
立場の弱い今、家族の白い目が怖い。
高価いものじゃないのに。