バックステージ オブ サイクリング・ブック

サイト「サイクリング・ブック」を作っていく上での諸事雑感などを書いていきます

古めきたるジャケット

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サイクリング・ブック ー discover Japan by bicycling ー

これだけ本に対する情報が豊かになった今でも、
(昔に比べて、のハナシ)
本屋・古本屋をぶらついて偶然に本を見つけることは楽しい。
映画についても同じだ。
大学時代は、ほとんどビデオなしで過ごした。
深夜番組の映画を予備知識なしでかたっぱしから見ることを続けた。
時間が重なった映画は、切り替えてちゃんぽんで見ていれば、
そのうち面白い方だけを続けて見るようになるのである。
いまだに記憶に残っているのは、
北野武監督作品のどれかと(覚えてないが、「3-4x 10月」だったらしい)、
村上龍の「ラッフルズ・ホテル」を同時進行で見ていて、
結果は前者の圧倒的勝利。
2作品へのストーリーの把握はイイカゲンだったけど、
それだけに、画面から受ける印象の力がエラい違った覚えがある。
とにかく深夜中そんなことをやっておったので、
大学には昼以降しか出られなくなってしまった。
サラリーマンをやることになってしまった後は、
さすがにビデオ導入でそんなことはしなくなった。
金土曜くらいだ。
映画情報とレンタル屋は充実していても、
テレビで放映されている映画に偶然ぶつかる楽しさというのは無くならない。
映画好きからすれば、噴飯の鑑賞法なのだろうけど。


フルメタル・ジャケット (角川文庫)

フルメタル・ジャケット (角川文庫)


そうやってぶつかった深夜映画で、
サラリーマンの哀しさで、翌日のために寝なければいけず、
何を考えたかビデオにも録らなかった作品の原作。
見たのは兵士の訓練の壮絶さを描いたエピソード部分だけだったのに、
見入ってしまったスゴイ映画。スタンリー・キューブリック監督。
自分の中のどういう理屈か、
いつまでも再びのテレビ放映を待っていて、
いつまでも放映されないもんだから、見つけた原作で済ませてしまった。
なぜTSUTAYA使わないんだろう。


原作も強烈。
深夜に見た、訓練で精神を病む新兵のエピソード。
ベトナムでの実戦では、仲良く話していた同僚が、
次の瞬間不意に現れた戦車に腹をつぶされていたり。
狙撃された瀕死の友人にとどめをささなければいけないとか。
英語はよくわからないのだが、翻訳で読んでいる限り、
ごく簡単な言葉を使い、短い文章でテンポよく、
しかもsomethingを感じさせつつ話を進めていくやり方は、
アメリカ人には特有のうまさがあるような気がする。
向こうの大学のジャーナリストとか小説家養成のカリキュラムとかは、
実践的かつ専門的らしいが、
共通の長所が育つような土壌でもあるのだろうか。
ウィキペディアで見るアーヴィングの、
「……アイオワ大学創作科へ入り、カート・ヴォネガットに師事」なんてのを見ると、
おお、ってな感じ。
もちろん日本でもそういうのはあるけど、なにせ名前の迫力が。
舶来ものに弱い。



アーヴィング「サイダーハウス・ルール」を電車の中で読んでいる。
堂々たる厚みの上下刊。上巻の4分の3くらいまで読んでも、
面白くならない。
しかしアーヴィングを途中で放り出すことはできない。
困った。