クレーゲル クレエゲル
こちらは旧サイトです。 本体ブログを更新しています。 サイクリング・ブック ー discover Japan by bicycling ー
最近カオを出している会社に来客があり、
パーティション越しに話が聞こえてきたところでは、
たぶんサーフィンが趣味であろうと思われる肌つやの彼は
PowerMateの開発者であるとのことであった。
http://www.focal.co.jp/product/detail.html?id_product=11
時代は変わったものだ。
昔、僕はダブルデッキのミニステレオコンポが欲しくて、
目的のブツのカタログ写真を壁に貼って、
せっせと少ない小遣いを貯めていたのだ。
あのときのコンポの名は、忘れたくても思い出せない。
いまや、300ギガバイトの外付HDDに溜め込んだ楽曲データを、
MacのiTuneから無線ヘッドフォンで聴きながら、
そのままトイレに行ったりなんぞしているのだ。
そんなことを思い出してしまったせいか、
iTuneで中島みゆきなんぞに聴き入ってしまった。
彼女がオールナイトニッポンをやっていたことを知る人は、
おそらく絶滅したことだろう。
最後の放送は、わが妹が、
ラジカセで、テープで、録音したものじゃった。
いささか古い話ばかりで、
昭和生まれと間違われそうだが(いや昭和生まれだが)、
その当時からずっと座右の書としてある、
トーマス・マン「トニオ・クレエゲル」である。
北杜夫つながりで誰かが買ってきたらしく、
もともと家に転がっていた。
初めて読んだのがいつか、もはやわからない。
大学に入ってから、古本屋で自分で買った。
- 作者: トオマス・マン,実吉捷郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2003/09/18
- メディア: 文庫
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僕が読んだのは、岩波の実吉捷郎訳である。
「トニオ・クレーゲル」は角川からの高橋義孝訳である。
ドイツ文学者の高橋義孝は山口瞳の師匠で、文章家であるのだが、
僕は実吉訳で育ってしまったものだから、
この本だけは高橋訳を体が受け付けない。
僕も努力はしたのだ。
カバーを取り去った実吉訳と高橋訳の文庫本は、
糊でくっつけてある。昔、読み比べてみた名残である。
成果は。
読みにくくなった。それだけ。
- 作者: トーマスマン,高橋義孝
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1967/09/27
- メディア: 文庫
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トーマス・マンがいいのか、実吉訳がいいのか、
あるいは抱えて育ってしまったノスタルジーか、
読むと涙が出そうになる。
自分が感じる生きずらさを、先に生きたエラい人がいるということ。
すがすがしく、元気が出る。
若い人必読。
今、確認したら、僕の本は昭和49年の28刷。
固有名詞、地名、人名の記述は、現行と違う。文字も旧字体だ。
しかしそれにふさわしい堂々たる名文である。
自分の誕生年の刷を探してみるのもカコイイかもしれないが、
最新の刷の真っ白い紙でも読み直したくなる本である。
ソフトバンクのX01HTの模型を、渋谷のビックカメラで触ってきた。
W-ZERO3と実機で比べてみたかったが、
ケツポケットから出して比較というのも恥ずかしく。
数字キーがないのが自分としてはネックかと思っていたが、
そうでもないような。
ボタン類とか、やっぱり実機じゃないとわからない。
店頭に出回るのはいつになるのだろう。