ドットブロット

本来、読書ブログ。本をフィルター替わりに、日々のよしなしごとを考えます。

ガステーブルではない

故・竹内均を編集長とした科学雑誌「Newton」の創刊号から数年分が実家にある。
僕が購読しておったのである。
掲載された情報が猫に小判であったことは、
購読者の中で、僕に勝る者はおそらくいない。
(昔、そんなことを、電子出版のメルマガに書いたなあ)
恐竜や古代生物や歴史関連記事のイラストを見るのを、
主な楽しみとする、たいへんリテラシーの低い読者であったのだ。


知識が身に付かぬこと笊のようだと嘆いたある弟子が、
師の本居宣長に、学問の方法を問うた。
その答えは、「笊を水に浸しておけ」
(言葉は正確ではないけど)
弟子に共感して、金科玉条にしている。
「Newton」を読み、いや見続けた効果は、
あったかもしれない。
下のような本を読むことに抵抗がないということだけでも。


パロマーの巨人望遠鏡〈上〉 (岩波文庫)

パロマーの巨人望遠鏡〈上〉 (岩波文庫)


世界最大の望遠鏡を作りたい人は読むべし。
天文台作りの醍醐味を味わえる。
天文台の立地条件から土地探し、資金調達、
レンズ・鏡・望遠鏡づくりや運搬が、ドキュメンタリーでよく理解できる。
事実が諄々と語られるドキュメンタリーなのだが、
大きいスケールと、逆に細かく記述された製作作業がうまく起伏となり、
話が時代がかっているのと併せ、
物語を読んでいるような楽しさがある。
反射用の鏡を磨きに磨き続け、
精神のバランスを崩した人物のエピソードがあり、
同情に流されない筆致もイイ。
天文台も望遠鏡もレンズも鏡も何度も作られ、
そのたびに巨大化していく連続はまるでボレロのようではあるが、
上下刊に渡って延々それが続くので、しっかり追わないと、
どれがどの望遠鏡であったかが判然としなくなる。
僕だけかも知れないが。
源氏物語式」と密かに呼んでいる。


再読しようとして、本棚を探し、
図書館で借りた本であったことを思い出した。
図書館派ではない。図書館の本はこういうときに困る、と思う。
買って読むか借りて読むかの議論はネットでも多く、
結論も出ることではないけれど、読んで楽しい好きな議論。
こういうことも電子出版のメルマガに書いたなあ。
回顧。


ハッブル望遠鏡ができた時は、ミーハー的にとても喜んだ。
メンテナンス費を惜しんで廃棄が決まった時には、
そのテの政策を推し進める希に見る愚かな大統領に、
心底腹がたったものだ。
ハッブル望遠鏡は、延命が決まったと最近のネット記事で見た。
同人物の人気取り丸出しの作戦の作用なんだろうか。



新宿のWillcomサービスセンターへ。
新宿は久しぶりだった。
向かう途中、木曜日が定休日であったのではないか
との記憶が、頭をもちあげたが、確認方法が手元になく、計画継続。
しかし予測どおり休みで、後ろからエスカレータに乗ったおじさんも、
僕と同じ空振り組で、シャッターの前でうめき声を出していた。いい人だ。
ビックカメラWillcomコーナーで、W-ZERO3機種変更時のデータ移行について質問。
相当バカな質問も混じっていたけど、親切に教えてもらえた。
なんだ、やっぱり本体購入だけでもヨカタのね。
でも12月中旬のW-SIMアップデート待ちを薦められた。
うーん悩む悩む。