選択できずに
こちらは旧サイトです。 本体ブログを更新しています。 サイクリング・ブック ー discover Japan by bicycling ー
忘れもしない、いや忘れたけど。
たしか小学校6年の時に読んだ本。
心理学の本を早くからよんでしまったりとか、
環境やら持ち前の性格から、
無気力とも皮肉ともつかない人間に育ってしまったかと思うが、
あるいはひょっとしたら、これを読んだせいであったかもしれない。
それほど衝撃的だった本。
「第三の選択」の謎―宇宙への人類移送計画は真実か?! 地球の危機はここまで迫っている (KAWADE夢文庫)
- 作者: 矢追純一
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1993/05
- メディア: 文庫
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矢追純一の著作でそれほど衝撃を受けたと言ったら、
笑われるのかもしれないが。
UFOとかNASAの陰謀とかのパターンをTVで見た人はいるだろう。
それだけでも小学生にはかなりのインパクトではあったけれど、
終盤にさしかかると、にわかにリアルな深刻性を増すのである。
オゾン層の破壊、気温の上昇、砂漠の拡大、それらによる飢餓・疫病。
今では常識ともいえる危機が、その時すでに予告されていたのである。
僕は立ち上がり、どこかへ駆け出さなければならないと思った。
あるいは世界を征服し、すぐに全てを変えなければいけないと。
10分後、僕は我に帰った。
僕はただの田舎の小学生。しかもかなりアタマの悪い。
小学校生活に四苦八苦する僕ごときに、世界は変えられない。
がんばらなくてはいけないところで、
精神がふわりと浮かび上がり、俯瞰するように自分を嗤ってしまう。
南極のオゾンホール、海水温の上昇、天候不順。
一般にそんな言葉が定着する過程を眺めながら、
受験勉強して、結婚して、なにより子育てなんてのは、
けっこう至難の業なのだ。
滅びそうで、なかなか滅びの進捗が進まない世界で。