秘密基地
こちらは旧サイトです。 本体ブログを更新しています。 サイクリング・ブック ー discover Japan by bicycling ー
前日からのリベンジ。
幼稚園生から小学校にかけて、近所の子供仲間では、
僕の兄とその同級生あたりがリーダー格になって、
秘密基地への取り組みが盛んであった。
どこからか集めてきた材木や廃物で基地を作り、
いざ基地に全員を収容したところで
ヤワな作りの基地が倒壊するなどが主な楽しみであったらしい。
同時代には、007やヒーローものでも秘密基地はつきものであった。
「怪人二十面相」も少年の願望に応え、
明智に捕まり、刑務所から逃げ出すというサイクルを忠実に繰り返しつつ、
そのたびに秘密基地を作り上げた。
そういった基地の中では、「奇面城」が基地の中では記憶に残っている。
ルブランの「奇岩城」からきているのだろう。
「海底の魔術師」などのおぼろげな記憶では、
海底基地なども作っていた筈なのだが、
子供の頭には、想像を刺激するには縁遠かったのかもしれない。
- 作者: 江戸川乱歩,藤田新策
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2005/02
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
最近10年では、アニメを始めとする子供向けコンテンツでは、
ファンタジーなど別世界ものが多かった。
例えばクレイアニメというのがあるが、
その可塑性はどんな形状でも容易であって、それ故に工夫の余地がない。
どんなによくできた作品でも、何か退屈な感じがする。
ファンタジー作品のほとんどに似た感想を抱くことから逃れられない。
隣の空き家の地下に、盗賊や洞窟などを想像せず、
異世界での冒険を夢見ることは、
想像力であるのか現実逃避かが判然としない。
江戸川乱歩作品では、漢字がもたらす恐怖も味わってほしい。
おどろおどろしい描写は江戸川乱歩の真骨頂で、
それが逆に本格ミステリーの場合になると、
ストレートな展開の邪魔をしている気がしないでもないのだが、
少年向けの二十面相シリーズは、昭和の雰囲気漂う恐怖のほどよい味付けと言えるだろう。
いまひとつ想像力を喚起しない、
外国ミステリーの味わいのない恐怖よりは子供におすすめ。
なによりルビがふってある。
あとは、やっぱりイラストはもうちょっとなんとかならないか。
誰がターゲットなんだ。
きょうびの子供がこんなイラストで喜ぶと思っているのか。
おっさんの収集癖も刺激されんぞ。