日本シリーズの前に
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山口瞳のエッセイに、人生を野球で例える男というのが出てくる。
「女房と愛人の対峙しているのを見た時ったら、ほら、一二塁間で挟まれたときのような…」
とか、そんな表現だった。
野球をやったことのある者なら、少なからず身に覚えのあることだろう。
巨人都合にしか思えないある年のドラフト改正を機に、
野球を見ることを止めていた。
メジャーリーグはBSでずっと見ていたが。
去年くらいから、野球キチガイの知り合いに触発され、
再び野球を見始めた。
そしてWBC。
野球の本は、大ヒットした江本の「プロ野球を10倍楽しく見る方法」を皮切りに、
手に入り易いところから読んだ時期がある。
野球に取り組むプロ選手たちの生き方は、
勝負事に縁がなく勝負運もない僕にさえ、とても参考になるだけでなく、
ごく単純に面白いエピソードに満ちていた。
小学校の三年から四年生まで、僕は嫌々リトルリーグに通わされていて、
自分にとって何のプラスにもなっていないと考えていたものだが、
これらの本の理解の助けになるだけでも、野球をやった甲斐があるというものだ。
- 作者: 野茂英雄
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1996/04
- メディア: 単行本
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野茂の「ドジャー・ブルーの風」は、メジャー2年目の野茂の手記である。
一年目に発刊された「野茂英雄 僕のトルネード戦記」は、
野茂自身のメジャー挑戦のエピソードが中心の爽やかな読後感であった。
日本人投手がメジャーで通用するかと、大真面目に議論されていた時代である。
野茂の人間性の素晴らしさに、あらためて感動する。
「ドジャー・ブルーの風」は、メジャー選手の話や分析、日米野球の比較などがいっそう充実していて、
違った味わいが楽しめる。
イチローはメジャーで通用するかなどの分析も非常に面白く読める。
まだイチローがメジャーに行く前、日本人野手がいない頃だったのである。
日本人の投手、野手、キャッチャーがメジャーに出そろい、
しかもWBCが行われた今年だからこそ、読んでみるべき一冊。
江夏と二宮清純の対談付き。
- 作者: 野茂英雄
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1995/09
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私見だが、野球と違い、サッカーは小説に向かない。
攻撃守備やイニングの区切りがなく、心理的な駆け引きの要素があまり無いからだろう。
やっぱりサッカーは映像、言うまでもなくライブがいい。
バルセロナVSチェルシーは、結果のわかっている録画だ。
味気なし。