ドットブロット

本来、読書ブログ。本をフィルター替わりに、日々のよしなしごとを考えます。

引火

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サイクリング・ブック ー discover Japan by bicycling ー

NHKの「映像散歩」の時間を、眺めるのが好きだった時期がある。
ただただその時の生活が、仕事が嫌で、
どうにも逃げ出したくて仕方がなかった頃である。
(いまでもそう変わっていない気もするけれど、
 どこかに行く気力が失せただけのハナシ)
好きだった映像は、古代遺跡、なかでも南米のが良かった。
有名な遺跡なのだろうけど、そんなことはどうでもよく、
石段の隙間に溜まった砂とか葉っぱとか、
そんなリアルさを感じられるショットをずっと待ちかまえていた。


小学校の頃に読んで、あれは何ていう本だったのか、
わからない本。
mixiの「本を探しています」のトビで訊けばよかった。
主人公はクシという少年。後にインカ帝国最後の皇帝となるアタワルパ少年と友達になり、
インカの滅亡と親友である皇帝の死に立ち会うことになる。
この本かな?
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4010694033/sr=8-2/qid=1163426368/ref=sr_1_2/503-8923038-4177529?ie=UTF8&s=books
http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=24873
最近読んだ本より、内容をよく覚えている。
困ったことだ。


インカ帝国探検記―ある文化の滅亡の歴史 (中公文庫BIBLIO)

インカ帝国探検記―ある文化の滅亡の歴史 (中公文庫BIBLIO)


おそらくそのせいで、このあたりの歴史に興味を持っていたため読んだ本。
上述した本で、知らず知らず覚えていたなつかしい地名とかアイテムとかに再会でき、
物語のバックグラウンドを辿るような気持ちで、楽しく読めた。
物語に近い語り口で、オトナがインカ帝国の歴史(主に滅亡の)を知る上では、
これほどわかりやすい本はないのではないかと思う。


実は僕は歴史学科の出なのだが、
大学時代に歴史の本を読んだ記憶があまりない。
これだってたぶん社会人になってから買った本。
自己批判の含めて言うと、
歴史学者は、実は文章が上手い人はいないんじゃないかという気がする。
この本とて、インカの文化と滅亡の過程が非常によくわかる良書なのだが、
著者の専門は文化人類。
歴史をやっていくことにいまひとつ魅力を感じられなくなった理由の一つに、
回りに歴史好きで、同時にサイノーのありそうな人間を見なかった、
ということがある。
いやもちろん自己批判も含めて。


書いているうち、自分でも面白い問題にあたった気がしてきたので、
次回に続けることにする。
火がついた。
引火。
オアトヨロシイヨウデ。