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こちらは旧サイトです。 本体ブログを更新しています。 サイクリング・ブック ー discover Japan by bicycling ー
企業小説やサラリーマン小説を、これまでにたぶん2冊ずつくらい読んだことがある。
面白いとは思った。同時に、2度と読まないだろうとも。
メインの読者はやはりサラリーマンなのだろうか。
どこへも連れて行ってくれない小説を、何を考えて読むのだろう。
好き嫌いだろうか。
黒の試走車 (角川文庫―リバイバルコレクションエンタテインメントベスト20)
- 作者: 梶山季之
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1997/01
- メディア: 文庫
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企業スパイ小説、という分類になるのだろう。
梶山季之の小説は、現実とフィクションの距離感が絶妙であると思う。
フィクションの楽しさが豊かで、
しかもリアルさは少しも現実離れをしていない。
くだくだしい説明や状況描写を退けた、
簡潔で動きの速い文章がその世界を生み出しているのだ。
僕は車は見るしか興味がないのだけれど、
なんだか自分が車好きになったような楽しい錯覚が得られた。
クライマックスに使われる卓抜なアイデア、
少し苦い結末。
作者の人間的な大きさが滲み出た、
大人のエンターテイナー小説の見本。
書かれた時代背景はいかにも昭和だが、
たぶんそれはちょうどフィクションに良い味わいに思える筈。
梶山季之が亡くなったとき、
純文学作家の参列がなかったと、盟友山口瞳マイ師匠はお怒りになっておられる。
金にならない純文学雑誌を、大衆雑誌の売れ行きで支えた梶山をなんとこころえているかと。
そういうものだったのだな、と思うしかない昔のことだけれど。
祝、Willcom契約10ヶ月経過。
お客様情報のデータベースでは、今日みごとに機種変更が値下がりになっていた。
……。で、どうしたらいいのだろう。
そんなこんなで、気が大きくなってしまったか、あるいはフレたのか、
サンコーレアモノショップで、熟考した末の衝動買い。
http://www.thanko.jp/
立場の弱い今、家族の白い目が怖い。
高価いものじゃないのに。