マイ師匠
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みうらじゅんが言う「マイブーム」はすっかり市民権を得、
普及した故に、誰が言い出したかも忘れられたのではないだろうか。
僕はその言葉が流行りだしたころに、
「マイ師匠」という言葉を胸に抱いておった。
山本夏彦の本には、嗜好を同じうする昔の名文家を「友」と呼ぶ、
素晴らしく説得力のある文章があるのだが、
小学生にも鼻で嗤われるほど有名な低脳高校の卒業生としては、
尊敬するひとをつかまえて「友」どころか「先生」とも呼ぶに忍びない。
そこでみうらじゅんのチカラ(いやな言葉だ)を借りて、
「マイ師匠」という尊敬プレイ(ここ、みうらじゅん調)を考えたわけだ。
「マイ師匠」度が強くなればなるほど、実は書評として扱い難くなることは、
ここでわかったことである。
ようやく取りいだしたるはこの一冊。
- 作者: 山口瞳
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1982/02/25
- メディア: 文庫
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小学校の5年くらいのとき、NHKでドラマ化された筈である。
小林圭樹が主演したと記憶している。
当時、都会からドイナカに引っ越した僕は、
カルチャーショックならぬアグリカルチャーショックのまっただ中にいた。
赤いほっぺの女の子。スカートの下にジャージをはく通学姿。
冬は長靴。小学校なのに制服。全校生徒で行う体操。
そして男女なんの区別もない訛をポンポン駆使する会話術は、
僕の耳には威嚇としか聞こえなかった。
過敏になった神経に、偶然見てしまったドラマ「血族」の映像と音楽、
なかんずく音楽は、ドラマの中に「トルコ行進曲」のラッパを効果的に使ってあったのだが、
子供の僕の耳には、異質で不吉な印象となって延々と響くことになった。
何年も何年もそれはその時期を特徴づける音楽として、
僕の脳裏に君臨し続けたのだった。
山口瞳を数多く読んでいるうち、
いつごろからか、誰に聞いたわけでもなく、
僕はそのドラマは、山口瞳の原作だったのではないかと、あたりをつけるようになった。
そしてそれは当たっていて、そのこともまた、
「マイ師匠」との縁であると考えて気をよくした。
「トルコ行進曲」も、トルコも好きになった。余談だけど。
そういうわけで、
「血族」は、かなり山口瞳作品を読んだ後に手にしたため、
たくさんの作品の集大成、と僕には見えてしまった。
この本への、あまり幸運な出会い方ではなかったと思う。
マイ師匠の本のうち、最初ではなくても、早いうちに読むべき作品。
とはいえ、マイ師匠の本を、
本屋で揃っているのを見かけることは少なくなった昨今。
ASローマごと好きではなかったが、
カペッロは、ほんとに名将なのかもしれないと思う最近。
レアルがよくなっているからである。ここ3、4年内で、
久しぶりにレアルらしい。
ラウルが生きている。
録画見たら、コーナーキック蹴ってたよ。
カペッロの用兵に注目だ。