バックステージ オブ サイクリング・ブック

サイト「サイクリング・ブック」を作っていく上での諸事雑感などを書いていきます

カラ満足の兄弟

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サイクリング・ブック ー discover Japan by bicycling ー

世界のジョーク集で、ドストエフスキー、というより
罪と罰」を扱ったものを見かけた。
つまらないジョークだったので引用はしないが、
ロシア人も「罪と罰」を読まないらしい、ということがわかった。
ドストエフスキーを、代表作だからと「罪と罰」を最初に読もうとするのは
挫折へのかなり確実な道ではないかと思う。
それくらいなら「カラマーゾフの兄弟」の方が取っつきやすいが、
なにしろおそろしく長く深刻にも見えるから、挫折ルートと言える。
昔の友人に「カラマーゾフ」を笑える小説だと喝破した男がいたが、
こういう慧眼の持ち主は希である。
短編から入るのがヨロシイ。


賭博者 (新潮文庫)

賭博者 (新潮文庫)


いまどき、こんな表紙で女性読者ばかりか若者をターゲットにすることは難いとは思うが、
それはさておき。
ドストエフスキーが好む「ロシア人とはなにか」という難解なテーマも、
賭博というフィルター越しのわかりやすい議論が少しあるだけ。
舞台もルーレテンブルクという架空の保養地に設定したおかげで、
ロシア国内の陰鬱な描写もない。
ストーリーの起伏がわかりやすく、
バクチの盛り上がりもあってドラマチックだ。
ルーレットの面白さと、外国の賭け金がリアル。
ドストエフスキー作品には珍しく、イギリス人まで登場し、
重要な役を担っている。
気合いを入れずに読むことができる。


「お祖母さん」というトリックスターが登場し、
ストーリーを大いに盛り上げて去っていくのだが、
ドストエフスキーにときどき登場する人物のパターンであるので、
本書を足がかりにドストエフスキーの名作長編に取り組む人には、
見知っておくべし、というところ。
北杜夫に、「悪魔のくる家」という戯曲があって、
株に熱中するお婆さんが登場する。
おそらく本書が頭にあって書かれた作品なのだろう。


悪魔のくる家 (新潮文庫)

悪魔のくる家 (新潮文庫)


カラマーゾフ」の笑いを見抜いた友人とは、
数年前に喧嘩別れをしてしまったきりだ。
理解しただけあって、彼自身ドストエフスキー的な性格だった。
躁鬱病でこそなかったけれど、
いまで言う「濃い」人間だった。
インターネットがあまねく広まった近年でも、
彼と連絡を取る方法がないのが不思議で、
またとても悲しい。
きみさん、いまどこよ。



NHK-BSの「世界のサッカー情報」は、いつも偶然に見る。
サッカーのいろいろな話題を取り上げているが、
日本で知られる前の選手、ヨーロッパに買われる前の若手南米選手などの
紹介があって楽しい。
有名になる頃には、その選手を番組で見たことは忘れているのだが。
ロナウジーニョ、メッシ、ロビーニョも有名になるはるか以前に見たような……。
今は、アトレティコアグエロに注目すべきだ。
マラドーナはメッシをずいぶんと買っているらしいが、
がめついドリブルとゴール前の意地汚さは、
アグエロの方がはるかにマラドーナ似。
メッシはちょっと繊細。