二十面相はふたたび現れる
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仕事帰りに渋谷のブックファーストへ。
途中、正体もなく物体と化した少女の酔っぱらいが転がってるところなど、
さすが渋谷である。
東京在住二十年近い田舎者としては、
わがもの顔に街を闊歩する若者が凶暴に思えて仕方がない。
からまれたときのメンツの立て方などを、
久しぶりにシミュレーションする。
今度は道を間違えずにたどりついたブックファースト。
時間があったので、2Fの文芸書だけでなく、全フロアを見て回った。
そして幼児向けのコーナーに、昔なじみを見つけた。
- 作者: 江戸川乱歩,藤田新策
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2005/02
- メディア: 単行本
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僕の「大人になったら集めよう」シリーズの筆頭。
図書館に並んでいた怪人二十面相シリーズは全冊読んだ。
しかるになんたる変わり方。
ソフトカバーは個人的によろしいとして、
重要な要素であったカバーイラストが全く気に入らない。
本文中イラストも、何を意図してか少女が書くイラストっぽい。
「電人M」「鉄人Q」「夜光人間」「海底の魔術師」などというタイトルと合わせて
少年読者の恐怖と冒険心をかきたてるサムシングが、まるで抜け落ちている。
突如、夜の家の中にロボットが出現することへの、恐怖と驚きと好奇心。
そういうものを、イラストレーターは理解しているとは思えない。
本文の漢字にふりがながふってあって読みやすい、などはよろしいが、
カバーと数少ないイラストが、子供心にあんなに楽しみであったのに。
僕はこれを買えない。
昔、図書館で借り、数冊は買ってもらったハードカバーの怪人二十面相シリーズのイラストは、
SM系のイラストを描く人であったらしい。
見たとたんにピンときた、とみうらじゅんがTVで話していたので知った。
そういわれれば、イラストに描かれている女性は美しいだけでなく、艶めかしくもある。
懐かしい話だが、SONYの読書専用端末「Librie(リブリエ)」を発売直後に購入して、
明智ものを読んだことがあった。
明智夫人の文代さんが、悪漢の手により虎の檻で危機にあうカットがあり、
その半裸がとても美しかったことを思い出した。
……少年の心は、すけべえな心と不可分でもある、という結論になってしまった。
WOWOWで「銀河英雄伝説」を最終回まで徹夜して見てしまった反動か、
とても締まりがない。
今日はこれくらいにしといてやる。
怪人二十面相の如く、また現れて復讐にのぞむであろう。