ものすごいお薦め、なのかも
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昔、三鷹の南口のすぐ前に古本屋があって、
愛想の悪い親爺がときどき店番になった。
将棋のように、カウンターに釣り銭をパシリと置くのである。
釣り銭を受け取ろうと、こちらが手を出しているのに、である。
嫌われてるかと思っていたら、
同店を利用した妹も同じ扱いを受けていた。
なんのポリシーかはわからなかった。
この本は、ものスゴイお薦め、なのかもしれない。
カウンターに持って行った瞬間に、この親爺の態度が変わったのであるから。
実演もまじえて本の手入れについて説明してくれたもので、
僕は恐れ入って店を出た。
- 作者: G.メレディス,George Meredith,朱牟田夏雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1978/05/16
- メディア: 文庫
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メレディスといっても、普通の人は知るまい。
僕も知らなかった。
解説では、1828年生まれ。英国では晩年には重鎮であったと。
また、漱石がえらい影響を受けたらしく、古本屋の親爺は、
そのセンでご贔屓であったのかもしれない。
英国貴族たちを主人公に、貴族社会のたてまえと恋愛を描いている。
わりと通俗的で読みやすい。会話文も多い。
三鷹駅南口の再開発で、古本屋はなくなってしまった。
店じまいの数年前から、通勤路の関係もあって足が遠のいていた。
最後の頃、店の整理をしているおかみさんを見かけたこともあったが、
自分を覚えているものかどうかわからず、
声をかけられなかった。
今日は、勤務後、疲れてはいたものの、
開放感から浮かれに浮かれ、ブックファーストに。
本を見ている間はよかったが、
店を出るあたりから、帰路を考えてどっと疲れてしまった。
昼は青山ブックセンターにいた。
やばい。渋谷、いいじゃないか。