ドットブロット

本来、読書ブログ。本をフィルター替わりに、日々のよしなしごとを考えます。

日本シリーズの前に

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サイクリング・ブック ー discover Japan by bicycling ー

山口瞳のエッセイに、人生を野球で例える男というのが出てくる。
「女房と愛人の対峙しているのを見た時ったら、ほら、一二塁間で挟まれたときのような…」
とか、そんな表現だった。
野球をやったことのある者なら、少なからず身に覚えのあることだろう。


巨人都合にしか思えないある年のドラフト改正を機に、
野球を見ることを止めていた。
メジャーリーグはBSでずっと見ていたが。
去年くらいから、野球キチガイの知り合いに触発され、
再び野球を見始めた。
そしてWBC


野球の本は、大ヒットした江本の「プロ野球を10倍楽しく見る方法」を皮切りに、
手に入り易いところから読んだ時期がある。
野球に取り組むプロ選手たちの生き方は、
勝負事に縁がなく勝負運もない僕にさえ、とても参考になるだけでなく、
ごく単純に面白いエピソードに満ちていた。
小学校の三年から四年生まで、僕は嫌々リトルリーグに通わされていて、
自分にとって何のプラスにもなっていないと考えていたものだが、
これらの本の理解の助けになるだけでも、野球をやった甲斐があるというものだ。


ドジャー・ブルーの風

ドジャー・ブルーの風


野茂の「ドジャー・ブルーの風」は、メジャー2年目の野茂の手記である。
一年目に発刊された「野茂英雄 僕のトルネード戦記」は、
野茂自身のメジャー挑戦のエピソードが中心の爽やかな読後感であった。
日本人投手がメジャーで通用するかと、大真面目に議論されていた時代である。
野茂の人間性の素晴らしさに、あらためて感動する。
「ドジャー・ブルーの風」は、メジャー選手の話や分析、日米野球の比較などがいっそう充実していて、
違った味わいが楽しめる。
イチローはメジャーで通用するかなどの分析も非常に面白く読める。
まだイチローがメジャーに行く前、日本人野手がいない頃だったのである。
日本人の投手、野手、キャッチャーがメジャーに出そろい、
しかもWBCが行われた今年だからこそ、読んでみるべき一冊。
江夏と二宮清純の対談付き。


僕のトルネード戦記

僕のトルネード戦記


私見だが、野球と違い、サッカーは小説に向かない。
攻撃守備やイニングの区切りがなく、心理的な駆け引きの要素があまり無いからだろう。
やっぱりサッカーは映像、言うまでもなくライブがいい。
バルセロナVSチェルシーは、結果のわかっている録画だ。
味気なし。