ご冗談でしょう、困ります
こちらは旧サイトです。 本体ブログを更新しています。 サイクリング・ブック ー discover Japan by bicycling ー
サローヤンの「我が名はアラム」から引用する。
「機関車三十八号」という名のインディアンが、アラムに向かってこう言う。
「おまえは…自動車に乗りさえすれば運転できるのだと考えている。
…おまえは典型的なアメリカ人なんだ」
悪口ではなく、僕はファインマンを連想してしまう。
彼は、アメリカの陽の部分の固まりのような人間だ。
考え、行動し、実践する。失敗したら、また考えるところからやり直す。
すがすがしいまでに、物事の裏に論理があることを疑わない。
彼のなかでは、科学と金庫破り、絵画とドラムが同次元で存在している。
人生を楽しんでいる。
天才ファインマンにしか許されない行動ではある。
「ご冗談でしょう、ファインマンさん」
- 作者: リチャード P.ファインマン,Richard P. Feynman,大貫昌子
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「困ります、ファインマンさん」
- 作者: R.P.ファインマン,Richard P. Feynman,大貫昌子
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どちらも、ラルフ・レイトンによるファインマンの話の聞き書き。
僕が読み始めたのは、シリーズの「困ります、ファインマンさん」から。
中の「ワン・ツー・スリー、ワン・ツー・スリー」には、
数を数える際の、人間の頭の働きについて実験するくだりがある。
ファインマンは頭の中で数を唱え、故に同時にしゃべることができない。
友人のトゥキーは数を視覚で数え、故に同時に本を読むことができない。
気づくだけで、友人間で実験し、結論を得ることができる。
遊びと学びの分岐する直前のおもしろさ。
このシリーズには、それが全体にみなぎっている。
もっと早く出会っておくべきだった。が、
背表紙だけなら、高校の図書館でも見かけていた。
おそらく中学にもあったのだろう。
実はこの前に実家を訪れたとき、母の本棚にあるのを見かけてもいる。
その題名と名前のインパクトもあってか、既読のような錯覚を持ち続けていたらしい。
純粋に、疑問に思ったことは解明か、是正させずにはおかない。
たぶん端からしたら、売名行為としか受け取れないと思われる行動もある。
それもまた僕が想像するアメリカそのものだ。
こういう人間を部下に持ったりしたら、大変だろう。
静かに暮らしたい人には、友人としてもダメかも。
理詰めで成功する楽しさは、昔読んだ「フランクリン自伝」、
もっと考えれば、小学生用の世界の偉人シリーズにまで遡るかもしれない。
- 作者: フランクリン,Benjamin Franklin,渡辺利雄
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友人であった杉原氏は、そういう偉人シリーズを読んだことがあるかどうか、
昔僕に尋ねて、
「そういうものを読んでいた奴は素質として、エラくなる要素がある」
という意味のことを宣った。
杉原君へ。全然あたらなかったよ。