バックステージ オブ サイクリング・ブック

サイト「サイクリング・ブック」を作っていく上での諸事雑感などを書いていきます

訳者で読む

こちらは旧サイトです。
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サイクリング・ブック ー discover Japan by bicycling ー

小説は好きだけれど、文芸雑誌を読むのが苦手だ。
なんだかエラそうで、怖いのである。
いろいろな要素がきれぎれに入り混じっているのが、面倒臭い。
わずかに読むマンガ雑誌にしても、次号に続くというのが我慢ならず、
単行本で一気に読む方がいい。


インターネットもいろいろな要素が混じっているが、
それらは検索によって、わずかの努力で納得いくまでの情報を得ることができる。
ネットに慣れたことが、自分の中にある新しい情報への怖れを無くした気がする。
自分の選んだオピニオン・リーダーが、
何を読んでいるかをブログなどで知ることができるのは、
どんな情報誌よりも有り難い情報である。


夜の姉妹団―とびきりの現代英米小説14篇 (朝日文庫)

夜の姉妹団―とびきりの現代英米小説14篇 (朝日文庫)


一人の作家の短編集は普通に読むが、
さまざまな作家の作品を集めた短編集は、これまた僕の好むところではなかった。
気に入りの作家が選んだ短編集にしても、手に取ったことが無かった。
この本を特に検索して購入につながったのは、
先に挙げた、未知の作家の情報の得やすさと、
柴田元幸という訳者の選が、今の僕の旬だったのだ。

それぞれの短編の前には、訳者による作者の紹介がある。
メタデータとして、重宝。
この手の本が、どういった構成であるのが主流かは知らないが、
僕にはとても作品に入りやすかった。
訳者あとがきで解説しているのはよく見かけるが、
こちらの方がよっぽどいい。


ある本を思い出した。


悲劇の誕生 (岩波文庫)

悲劇の誕生 (岩波文庫)


ニーチェ「悲劇の誕生」には、
ギリシア悲劇系譜が語られていて、
それによると、それぞれの幕の冒頭には、
演じられる内容についてあらかじめ解説があったとのこと。
筋の運びに気を取られることなく演劇を味わってもらう、
という目的にのっとったものであったという。
本書の構成がそれを想起させたのだ。


スティーブン・ミルハウザースチュアート・ダイベック
本書を読むきっかけではあったが、
レベッカ・ブラウン、ラッセル・ホーバンは
別の作品も読んでみたいと思う。


こうやっているうちに、懸案であるジョン・アーヴィングはまた後回しになるのであるが、
それはそれで、インターネット的ではある。